元気新聞

脳卒中は寒い冬場に発症しやすいというイメージがありますが、脳卒中のなかでも脳梗塞は6~8月の夏にも多く発症し、初期症状が似ているため熱中症とまちがえやすいといわれます。
暑さが本番を迎えるこれからの時期は、熱中症とともに脳梗塞への注意が必要です。

脳卒中のタイプで発症する季節が違う

脳卒中とは、脳の血管が破れたり詰まったりして、その先の細胞に栄養が届かなくなり、細胞が壊死を起こす病気です。
発症すると一命を取りとめても重度の後遺症が残ることもあり、寝たきりや認知症の原因にもなっています。
脳卒中は、血管が破れるタイプの「脳出血」「くも膜下出血」と、血管が詰まるタイプの「脳梗塞」に分けられます。
このうち「脳出血」と「くも膜下出血」は冬場に多く見られますが、「脳梗塞」は夏場にも多く見られます。
夏は大量に汗をかくため脱水状態になりやすく、体内の水分が不足すると血液は粘度を増し、血のかたまり(血栓)ができて血管が詰まりやすくなるからです。

脳卒中の予防と対策

脳梗塞が発症しやすいのは、6~8月の夏場、睡眠中と起床後2時間以内といわれます。
そのため就寝前と起床後にコップ1杯の水を飲むようにしましょう。
適度な水分摂取は脱水を防ぎ、脳梗塞だけでなく熱中症の予防にもなります。
ただし、脳梗塞は他の季節でも発症し、加齢や生活習慣と深い関係があります。
脳梗塞の3大危険因子といわれる高血圧、高血糖、脂質異常を予防するため、日ごろから食事や運動、喫煙、飲酒など生活習慣を改善することが重要です。

水分不足を防ぐポイント

時間を決めて水分補給
のどの渇きを感じなくても時間を決めて少しずつ水を飲みましょう。

お酒の飲み過ぎに注意
お酒には利尿作用があるため、脱水症状が進んでしまいます。

就寝前・起床後に コップ1杯の水を
睡眠中は水分補給ができないので、就寝前と起床後に水分補給をしましょう。

冷房で室温や湿度をコントロール
睡眠中も汗をかいて体内の水分は失われます。
上手に冷房を使って室温や湿度を調整しましょう。

こんな兆候があったらすぐに救急車を呼びましょう

めまい、ふらつきは熱中症でもみられますが、顔や体の半身にまひなどがあれば脳梗塞が疑われます。
脳梗塞の治療の遅れは命にかかわります。おかしいと思ったらすぐに救急車を呼びましょう。

脳梗塞の前触れ


●片方の手と足に力が入らない。
●顔を含む、身体の半身がしびれる。
●ろれつが回らなくなる、言葉が出なくなる。
●めまいがする。
●片側の目が見えにくくなる、視野の一部が欠ける、物が二重に見える。
●ふらついて立てない、歩けなくなる。