アニサキス幼虫はサバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類に寄生します。魚介類の内臓に寄生しているアニサキス幼虫は鮮度が落ちると、内臓から筋肉に移動することが知られています。
あなたは大丈夫?
こんなことが当てはまったら注意!
□生魚をよくたべる
□生魚は酢でしめたり、わさびを使ったりすれば食中毒のリスクはなくなると思う。
□鮮度の高い魚介類なら、食中毒の心配はないと思う。
特に注意が必要な魚介類
サバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類に寄生します。
魚介類の内臓に寄生していますが、鮮度が落ちてくると内臓から筋肉に移動します。
症状は激しいみぞおちの痛みや嘔吐
激しいみぞおちの痛みや腹痛、嘔吐などがあり、アニサキスによる食中毒が疑われる場合は、医療機関を受診しましょう。医療機関では魚介類を生食し、アニサキスによる食中毒の疑いがあることを伝えます。
また、魚介類を食べた後に、じんましんなどのアレルギー反応が出たことのある人は、アニサキスアレルギーにも注意が必要です。
アナフィラキシーショックを引き起こす重症例も報告されています。
急性胃アニサキス症
食後数時間~10数時間後に、みぞおちの激しい痛み、吐き気、嘔吐を生じます。
急性腸アニサキス症
食後10時間~数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じます。
アニサキスの正しい予防法
アニサキスによる食中毒を予防するには、下記の点に注意しましょう。なお、一般的な料理で使う程度の食酢での処理、塩漬け、しょうゆやわさびでは、アニサキスは死滅しません。
〇魚を購入する際は、鮮度の高いものを選び、低温(4℃以下)で保存する
〇魚を丸ごと1匹で購入した際は、すみやかに内臓を取り除き、よく洗う
〇内臓を生で食べない
〇調理時と食べるときに目視でよく確認してアニサキスがいれば除去する
〇加熱する(60℃では1分、70℃以上)
〇冷凍処理する(-20℃で24時間以上)
報告件数は10年で20倍以上に
厚生労働省の調査によると、アニサキスによる食中毒の報告件数は、平成18年は5件だったのに対し、平成28年には126件に上がり、20倍以上に急増しています。
この背景には、平成25年以降に厚労省の食中毒統計の項目にアニサキスが加わり、実態調査が進んだことに加え、流通の発達により、さまざまな魚介類を生で食べる機会が増えていることなどがあるといわれています。