元気新聞

寒い冬が終わり、ウキウキする春。
「何かを始めよう!」と前向きな気持ちになってきますね。

実は、これ、「やる気ホルモン」の働きです。春になると私たちの体は、このやる気ホルモンが体内にぐっと増えてきて、活動的になるのです。しかし、春になっても「何となくやる気が出ない…」と感じている人は、もしかすると、「やる気ホルモン」の分泌量が少ないのかも。

やる気ホルモンを出す、ちょっとしたコツを紹介します。


ドーパミンは、別名「やる気ホルモン」と言われ、「うれしい」「楽しい」といったポジティブな感情を生み出す神経伝達物質です。ドーパミンの特徴は、毎日の生活に意欲的になり、運動機能にも影響すること、具体的には、「がんばろう」とか「やってみよう」など、私たちの前向きな行動を起こす原動力につながります。
また、私たちが充実や達成感を得たときにも、ドーパミンは分泌されることがわかっています。欲しかったものを得たり、何かを達成できたりしたときには、脳の中の視庄下部、または側座核という部分でドーパミンが分泌されます。
このように、ドーパミンが「やる気ホルモン」と呼ばれる理由は、それが分泌されることで物事を前向きに考えたり、喜びや快感を感じたりすることができるからなのです。
それでは実際に「やる気ホルモン」のドーパミンを分泌させるには、どうしたらいいのでしょう?
「神経伝達物質を分泌させる」と聞くと、難しいことのように聞こえますが、実は非常に簡単。
1日に1つ、朝起きたら目標を立てて、それをカレンダーや紙に書きます。そして、その目標が達成できたら丸印をつけるようにします。たった、これだけのことで毎日ドーパミンが出るようになるのです。
ただし、「目標」と言っても、スケールが大きすぎて達成できないものでは逆効果。ここで言う目標とは、「少し面倒くさいけど、やっておくと楽になるもの」を指します。
たとえば、古新聞を束ねる作業や、冬物をクリーニング店に出すといった家事のレベルでOK。大切なのは、目標の中身ではなく、文字に書いた目標を達成して丸印がつけられるかどうかなのです。
一見、単純なようですが、丸印を目で見て確認することで、「目標が達成できた!」という視覚情報となって脳に伝達されます。すると、脳は達成感を味わうことになり、ドーパミンが分泌されるというわけです。
たとえ1日に1つの目標でも、それが達成できれば、毎日ドーパミンが出ている状態になります。ドーパミンが出続けていれば、気持ちは前向きになりますから、「もっと~したい」という向上心がわき起こるでしょう。すると、最初は家事のような小さなことから始まったとしても、次第になかなか簡単に達成できないようなレベルの目標へ、自然に変化していくものです。
季節の変わり目は、心も体も不安定になりがちです。ドーパミンの分泌を上手に利用して、心も体も元気になりましょう。


■うれしいこと、楽しいことがあったとき
■人からほめられたとき
■目標を達成したとき
■新しい発見をしたとき
■想像力が広がったとき
■すぐれた芸術作品を見たとき
■映画や小説に感動したとき
■髪型を変えたり、新しい服を着たとき──など