元気新聞


めまいがしたり、顔が蒼くなったり、冷や汗や生つば、生あくびが出て、気持ちが悪くなり、ひどいときにはおう吐する……など、本人にとってはつらい車酔い。車から降りてしばらくすれば治ることが多いですが、車を止めてばかりもいられませんね。車酔いのメカニズムは、まだわかっていないことも多いのですが、次のような原因が考えられます。車に乗ったときの振動や加速、体の傾きなどの情報は、内耳の器官などでとらえられ、脳に送られます。これが目のとらえる情報とズレると、脳は「不快」と判断します。すると自律神経が刺激され、ストレスホルモンが分泌されるため、血圧が上下したり、胃が不規則に運動したりします。この結果、車酔いの諸症状が出るといわれています。車酔いは2、3歳ころから始まり、小・中学生のころがいちばん発症しやすく、一般的に成人するころには治るといわれています。

車酔いは人により程度が異なりますが、次のような条件で発症しやすくなります。
車酔いしないためには、しっかり寝て、適度に食べ、車内では前を向いて体を固定し、音楽を聴いたりおしゃべりしたりして楽しく過ごしましょう。運転手もスムーズな走行を心がけることが大切です。もし酔いそうになったら、衣服をゆるめてリラックスし、前方遠くの景色を見るといいでしょう。遠くに視点を定めることでめまいを抑える働きがあります。


車酔いの薬は抗ヒスタミンといわれるもので、脳や自律神経の働きを整える働きがあります。できれば、乗車30分前に飲むといいのですが、発症後に飲んでも、症状を軽減する作用があります。車酔いは精神的な要素もあるため、「これはとってもよく効く薬だよ」などと、安心させてあげるのも大切です。車酔いは一般的に、「慣れ」により治るといわれています。日頃から平衡感覚を養うために、ブランコや水泳などをするのもいいでしょう。


乗り物酔いは「不快に感じる」という感情によって起こりますから、精神面に大きく左右されます。実際、乗り物酔いしやすい人は「また酔うかも知れない」という不安感によって、ちょっとした刺激で不快感を覚えるケースが多くあります。
乗り物酔いしやすい人に、砂糖水を乗り物酔い止め薬といって飲ませると、6割以上の人に乗り物酔いの症状がみられなかったという実験結果があります。「薬を飲めば大丈夫」という安心感から不快感が起こりにくくなったためと考えられます。