元気新聞


寒さも大分厳しくなってきましたが、毎年冬になると体調を崩し、元気がなくなって寝込んでしまう人がいます。
そして、春になるとまた元気になる・・・という人がいるとしたら、それは「冬うつ」かも?
冬の間だけうつ病になるタイプがあり「季節性うつ病」と呼ばれています。
原因は冬の日照不足が関係しているといわれています。


冬になると、とても気分が落ち込んでしまうという人はいませんか?
もしかしたら、それは「冬うつ」かもしれません。
正式には、「季節性感情障害」、「冬季うつ病」などと呼ばれるこのうつ病は、昔から北欧など季節によって日照時間が極端に短くなる高緯度地域で、症状を訴える人が多く見られてきました。
冬季うつ病の特徴は、晩秋から初冬にかけて発症し、翌年の3月くらいから改善が見られること。
さらに、通常のうつ病のように、意欲低下、疲れやすいといった症状に加えて、睡眠時間が長いのに昼間も眠気がとれない、炭水化物や甘いものをたくさん食べてしまう、体重が増えるといった特徴が指摘されています。
発生頻度は女性に多く、男性の数倍程度といわれています。季節性うつ病でない人でも、冬にはいつもより多く眠り、多く食べたくなります。しかし、冬に元気がなくなり、甘いものをたくさん食べ、体重が増えるならこういう病気もあることを思い出してください。そもそもうつ病は、セロトニンが極端に少なくなる病気といわれています。
セロトニンは気分に関係する神経伝達物質で、実は健康な人でも夏は多く、冬は少なく分泌されることが分かっています。(下のグラフ)
私たちが夏になるとウキウキした気分になるのは、セロトニンが多く分泌される季節だから。
逆に、ただでさえセロトニンの分泌が減る冬に、日光を浴びずに生活していると、冬うつに陥る危険性が高まってくるのです。
夜遅くまで起きて、朝日をしっかり浴びないまま出かけて、建物の中で一日中過ごす。そんな毎日にストレスなどが加わって、冬季うつ病の発症を引き起こすケースも少なくないようです。

予防のポイントは、十分に日光を浴びること。
特に冬は極端に朝日が弱くなる時期。
それだけに意識して朝日を長めに浴びるようにしたいものです。
そうはいっても、朝はどうしても忙しい時期。
そこで、ひと工夫。
例えば、朝起きてすぐにカーテンを開ける。
朝食を窓のそばで食べる。
車や電車通勤の代わりに、徒歩や自転車通勤を心がければ、ダイエットにも二重丸です。
こうして朝日を積極的に浴びる小さな工夫をすることで、体内リズムも整えることができるのです。
「最近なんだか気持ちが晴れないなぁ・・・」。
そう感じたら、まず朝日を浴びてみましょう。
朝日は、一日の始まりであるのと同時に、私たちの健康を守る光でもあるのです。