元気新聞

カフェインの効用
朝の冷え込みが一段と厳しくなるこれからの季節。
こんな時季こそ、朝の目覚めを快適なものにしたいですね。
そこで注目したいのが、コーヒーなどに含まれるカフェインという成分。
体をシャキッとさせたり、リラックスさせてくれたりと、さまざまな健康効果がいま、注目されています。
よく耳にするけど、意外と知らないカフェインについてチェックしてみましょう!

スッキリと目を覚ましたい朝。
一人で過ごすくつろぎの時間。気持ちを切り替えて集中したいとき……。
そんな時に欠かせない飲み物といえばコーヒー。
コーヒーやお茶を飲むと、頭がスッキリしたように感じますが、これはカフェインの働きによるもの。
しかし、「カフェインってよく耳にするけど詳しくは知らない…」という人も多いのでは?
カフェインは、主に植物に含まれている天然成分の名前。南米のマテ茶やガラナ、アフリカのコラの木など100種類以上の植物に含まれていて、中でもコーヒーや紅茶、緑茶などは世界中で親しまれています。
中国では、紀元前2700年頃に初めてお茶が飲まれたという史料が残っており、人類初のカフェイン飲料と伝えられています。


カフェインには頭や体に働きかけて緊張をもたらす刺激作用があります。
コーヒーを飲むと、体がシャキッとして目が覚めたような気分になるのは、このためです。
これまでコーヒーは、心臓に直接作用して血圧を上昇させるカフェインが含まれているため高血圧症を引き起こすものと考えられてきました。
しかし最近では、むしろコーヒーを飲んだ方が高血圧症の危険性が減るという研究結果が報告されています。
例えば、アメリカのある施設が、高血圧症の女性約3万人を対象に12年間、習慣的なコーヒーの摂取と高血圧症の関係を調べた研究では、結果としてコーヒーと高血圧症に関係が認められなかったばかりか、逆に高血圧症になる危険性が下がるという傾向が認められました。
ほかにも、脂肪の分解を促してエネルギー消費を助ける作用や、動脈硬化を予防する善玉コレストロールを増やす働きも明らかになっています。


さまざまな作用をもっているカフェイン。
仕事や家事の合間に適度なコーヒーブレイクをとれば、心身ともにリラックスできるはず。
コーヒーの他にも、緑茶、紅茶、中国茶など、気分にあわせて飲むのも楽しいですね。しかし、カフェインの作用の度合いは人それぞれ。自分にとっての適量をきちんと見極め、楽しく飲みたいですね。

アメリカのハーバード大学では、コーヒーを1日に1~2杯飲む習慣のある人と、全く飲まない人を10年間、追跡調査しました。
その結果、コーヒーを飲む習慣のある人は、コーヒーを飲まない人に比べて自動車事故で死亡する確率が約50%であることが分かりました。
事故で死亡しないということは、脳が活発に働き、注意力が十分に発揮されているので事故を回避できることを意味していると考えられます。 
同じように自殺する人を調べたところ、コーヒーを飲む習慣のある自殺者は、コーヒーを飲まない自殺者の3分の1だったといいます。
これは、コーヒーを飲んでいると、カフェインによって脳が刺激され、うつ状態になりにくいからではないかと、推測されています。