元気新聞

秋から冬にかけて、さつまいもがおいしくなる季節です。さつまいもは身近な食品ですが、実はたくさんの栄養素を含んでおり、健康維持に役立つ性質があります。
その1つが、食後の血糖値の上昇が緩やかであるということで、糖尿病が気になる方におすすめの食べ物です。
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さつまいもに含まれる栄養素

●食物繊維
小腸での栄養の吸収を緩やかにしたり、余分なものを取りこんで便として排出するなどの働きがある。
●ビタミンC
体の組織をつくるコラーゲンの生成に欠かせない栄養素。免疫力を高める働きもある。
●ビタミンB6
免疫機能を正常に保つ働きがある。
脂質やたんぱく質の代謝に欠かせない
ビタミン。

さつまいもは、食物繊維が豊富なため、体内でゆっくり消化・吸収されます。そのため、食後の血糖値の上昇が緩やかになります。
ご飯やいも、麺類などに含まれる糖質は、口から入ったあと、小腸でブドウ糖に分解・吸収されます。そして血液中に入り、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンによって、全身の筋肉などに取り込まれ、エネルギー源として使われます。ブドウ糖は、私たちが生きていくうえで欠かせないものです。
食後は誰でも、一時的に血液中のブドウ糖が増えますが、特に問題はありません。ところが、糖尿病の危険性が高い「糖尿病予備軍」の人では、食後の血糖値が急激に高くなる傾向があります。これを「食後高血糖」といいます。
食後高血糖は、インスリンが不足したり、働きが悪くなったりするために起こると考えられています。こうした食後高血糖を繰り返していると、やがて糖尿病になる可能性が高いとされています。

食後高血糖を防ぐためには、1回にたくさん食べ過ぎないことです。脂肪の多いものばかり食べたり、食事の時間が不規則なのも良くありません。また、甘いものをとりすぎると、血糖値は急激に上がってしまいます。
さつまいもは、でんぷんを多く含み、主食にもなる食材でありながら、食物繊維が豊富なことから、ゆっくりと吸収されるため、血糖値の上昇が緩やかです。
また、ブドウ糖の吸収を遅らせる働きのある「クロロゲン酸」というポリフェノールが多く含まれていることも見逃せません。ですから、糖尿病予備軍の人に是非おすすめしたい秋の味覚といえます。