元気新聞

朝まで「快眠」 5つの秘訣

寝苦しさの続く夏の夜。
気温、湿度ともに高くなる夏は、人間の体にとってストレスが高まる季節です。
「寝苦しくてイライラ」「エアコンをつけっぱなしにしたら、冷えすぎてしまった」などなど、夏は睡眠が妨げられがち。
寝不足の上に日中の暑さのダメージが加われば、夏バテになってしまうことも。
眠りの質をアップさせる知恵で、夏を乗り切りましょう!
ポイント1 温度・湿度
エアコンの上手なコントロールで快適に!

一般的に夏場は寝室の温度を25℃~28℃、湿度50%くらいにしておくと寝付きやすいといわれています。
この快適環境をつくるためには、エアコンを上手に活用しましょう。
近年、熱帯夜の日数が増えているためか、睡眠中に熱中症で亡くなる高齢者が増えています。
エアコンは冷えすぎで体によくないと言われることもありますが、眠れないほど暑いときには、エアコンを上手に活用しましょう。
エアコンの上手なコントロールで快適に!
体を冷やしすぎないためには、寝る少し前からエアコンで部屋を冷やしておいて、寝るときにはスイッチを切る、設定温度を上げるなどの工夫を。
また、冷たい空気は温かい空気に比べて重たいので、床の近くにたまっていきます。
このときに風量を強くすると、天井近くの温かい空気もかき混ぜてしまうため、なかなか冷えません。
電気代の無駄づかいにもなりますので、風量は「弱」設定で。
さらに、吹き出し口の風向きを「水平」に保つのがポイント。
下向きにしてしまうと、冷気が体に直接当たってしまいます。
睡眠中は体内で熱をつくる量が低下するため、この状態で寝るのは冷えすぎてとても危険です。
風向きは水平か上向きにしておきましょう。
眠りで大切なのは最初の90分
眠りで大切なのは最初の90分眠りには、ノンレム睡眠(体は動くが脳は眠った状態の深い眠り)とレム睡眠(体はダラリとして動かないが、脳は覚醒に近く夢などを見る状態の浅い眠り)があります。
このノンレム睡眠とレム睡眠は、一般に90分1セットになっていて、一晩に何回か繰り返されます。
なかでも大切なのが最初の1セット。成長ホルモンはこの時間に最も多く分泌され、疲労が回復されるのです。つまり、最初の90分でしっかり質のよい眠りが確保できれば、時間が短くてもスッキリと目覚める事ができます。

ポイント2 明るさ
真っ暗はかえって不安!月明かりを目安に
真っ暗はかえって不安!月明かりを目安に人によって部屋の明るさの好みはさまざまですが、一般的に眠るのに適した明るさは月明かり程度とされています。30ルクス(豆球くらいの明るさ)以上の光を浴びると、寝ている間に分泌される睡眠を促す物質、メラトニンが十分に分泌されなくなるからです。
 また、瞳はまぶたを閉じた状態でも光を感知してしまうので、眠りにくいときは光源が直接目に入らないように工夫を。天井灯の豆電球をつけるよりも、足元のフットライトをつけるなど、間接的な光にするのがよいでしょう。

ポイント3 音
まったくの無音は逆効果。適度な「音」を。
まったくの無音状態というのは、逆に落ち着かずに、悶々と考え込んでしまうなどといったことになりがち。快適に眠れる中の音は30デシベル以下とされています。
まったくの無音は逆効果。適度な「音」を。
これは自然と外の音が遠くで聞こえるくらいの状態ですが、気になって眠れないときは、好みの音楽や自然音、ラジオなどの自分がリラックスできる音を小さくタイマーでかけて眠りにつくとよいでしょう。
これは「音のマスキング効果」といって、意識がその音に向く分、他の音が気になりにくくなる効果があります。
眠りに入ったあとは、音がないほうが脳が休まるので、タイマーを活用し、90分くらいで切れるようにしましょう。

ポイント4 色
涼を呼ぶ色彩でクールダウン!
涼を呼ぶ色彩でクールダウン!

色彩学では、青の部屋は赤の部屋より体感温度が3℃低く感じるという報告がされています。
青の部屋では実際に「涼しくて気持ちよい」と感じ、体温、血圧、脈拍なども落ち着いた状態になり、赤の部屋では逆に上昇傾向になるといいます。
ですから、夏の寝室を寒色のブルー系でコーディネートすると、体感温度が下がり気持ちもリラックス。
カーテンやシーツなど、面積の大きい部分をブルーにするだけで、手軽に部屋の印象が変えられるので、ぜひ試してみてください。
ポイント5 寝具
布団の中に汗と熱をためない工夫
快眠のためには、布団の中の温度は体温よりやや低めの33℃くらい、湿度は50~60%が最適とされています。
実は、この快適な温度・湿度は季節を問わず、1年中一定のもの。
夏は室温が高く汗をかきやすい分、通気性と吸湿性のよい素材の寝具を選んで、布団の中の温度や湿度が上がり過ぎないようにすることが大切です。
とはいえ、季節にあわせてマットレスや敷布団を全部取り替えるのは大変。
敷布団自体は1年中同じものでも、その上に通気性のよい敷きパッドを敷いたり、布団の中に汗と熱をためない工夫肌触りがよく吸湿性に優れた麻やガーゼ素材のシーツや枕を使用することで、布団の中を快適に保つことができます。
寝苦しさと暑さの関係は体と掛け布団との接触面積にも関係します。
意外に夏に活躍するのが、抱き枕。一見暑そうに見えますが、寝姿勢を安定させるという本来の働きのほかに、布団と体の間にすき間を作ってくれるので、風通しがよく、布団の中を涼しく保つことができます。