冬ならではの健康の大敵といえば、カゼですね。
カゼを予防できれば冬をもっと快適に過ごせるのに、という人は多いはず。
しかし、もっと身近な病気でありながら、ちまたで行われている様々なカゼ対処法も、効果があったり、なかったり・・・。
そこで、誤解されがちなカゼの常識について考えてみました。
カゼ(普通感冒)の原因には細菌などもありますが、90%以上はさらに小さなウイルス。
このウイルスは、ほんの一部が空気感染するものの、多くは接触感染によって広がります。
ですから、カゼをひいている人と同じ空間にいただけで感染するという思い込みは誤解。
むしろ、気をつけなければならないのは、カゼをひいた人の唾液や鼻水をさわったり、カゼのウイルスが付着した手で触った電話やドアノブなどに触ったりすること。
その手で、鼻や目を触ると、粘膜からウイルスが侵入して、感染します。
インフルエンザは、まず40度近い高熱が出て、2~3日で全身に症状が及びます。
普通感冒(カゼ)は、鼻水やのどの痛みなどの局所症状から始まって、ひどくなると発熱することに。
また、普通感冒が接触感染なのに対し、インフルエンザは飛沫感染。
つまり、空気感染しやすいので、瞬く間にはやるのです。
したがって、インフルエンザの予防接種を受けたからといって、約200種類あるといわれるカゼのウイルス感染を防ぐことはできません。
ただし、3種のインフルエンザ予防には効果あり!
したがって、薄着の方がカゼをひきにくいというのはホント。 体が鍛えられる程度に、薄着することが重要です。
鼻やのどの粘膜からウイルスは入り込みます。
つまり、のどはカゼウイルスの玄関口のひとつ。
ここから奥に進ませないのために、うがいは非常に効果的です。
帰宅したら、手洗い、うがいを忘れずに。
加湿器で適度な湿度を保つことは、カゼウイルスを飛散させないための効果が大!
冬場はただでさえ空気が乾燥しているので、積極的に加湿器を使うとよいでしょう。
理想的な室内環境は、湿度が20~30度、湿度が60%。
湿度計、温度計があるなら、ときどき温度と湿度をチェックするようにしてください。
この環境を維持すれば、カゼの予防につながります。
水溶性ビタミンCは、過剰にとった分は尿と一緒に排出されてしまうため、サプリメントなどでたくさん摂取してもあまり意味がありません。
ただ、ビタミンCには抵抗力を高める作用が、ビタミンAには粘膜を丈夫にする働きがあります。
野菜や果物など食品からしっかりとりましょう。
入浴は軽いスポーツをしたのと同じくらいの体のエネルギーを使う行為ですから、カゼをひいているときは湯船につかって長時間体を温めるような入浴はやめましょう。
ただし、体をすっきり清潔にすることは問題なし。
サッと体を洗う程度ならOKです。
その場合でも洗髪は控えましょう。
洗髪して、半乾きの状態でいると、体が冷えてカゼがひどくなることもあるので注意しましょう。
「うつせば治る」といわれているのは、カゼの潜伏期間と関係があります。
カゼは、症状が出て約4日間で症状が解消してきますが、この期間はウイルスが感染してから症状が現れるまでの潜伏期間とほぼ同じ。
そのため、「よくなったな・・・」と感じるのと同じころ、周囲の人に症状が現れてくるのです。
うつして治ったわけではないので誤解しないで!
だから、熱が出て暑いのに、わざわざ厚着をして不快な思いをする必要はなし。
快適に過ごせるように薄着をし、薄手の毛布などで適度に保温するのがよいでしょう。
氷枕などで冷やすのも、快適に過ごすための手助けに。
わきの下やそけい部を冷やすのもおすすめです。
カゼをひくと熱が出ますが、これはウイルスを退治しようとして体が戦っている証拠です。
「熱はできるだけ早くさげないと」と考えるのは間違い。
むしろ、発熱時も快適に過ごせる環境を整えることです。
不快でなければ、解熱剤で熱を下げる必要はありません。
かかったら、体の自然治癒力で治すしかありません。
症状が軽いうちにこれをやっておけば、薬を飲まなくても治ってしまうでしょう。
「ひいたかな?」と思ったら、ゆっくり寝るのがいちばん!
これは抗生物質などが胃を荒らすのを防ぐためです。
しかし、食事と一緒でないと効かないというわけではないので、食べられないときに飲んでも○。
特に子どもは、食後だと満腹で薬が飲めないこともしばしばです。
食欲がないときは、無理に食べさせずに薬だけでも飲ませるようにしてください。
カゼ薬は、それらの症状を緩和する薬を組み合わせ配合されています。
そのため、鼻の症状に効く成分の多い薬を、咳がひどい人が飲んでもあまり効かないといったことも多々。
薬は、症状に合わせて選んでもらいましょう。
医師が処方する薬が効くのは、患者さんの症状や体格などに合わせて最適の薬を処方しているからです。