元気新聞


暑~い夏。
汗をかきかき食べるカレーはおいしいですよね!
甘いものや塩辛いものを食べても汗は出ないのに、カレーなど辛いものを食べたときに汗をたくさんかくような気がしますが、それはどうしてなのでしょうか。

辛い食べ物の代表といえば、カレー。
夏の定番メニューになっていますが、もともとはインド料理です。
インドでは古くからさまざまなスパイスを薬や料理に利用していて、カレーにもターメリックやクミン、唐辛子、シナモンなどなど、数多くのスパイスが使われています。
カレーの辛さは、主に唐辛子に含まれているカプサイシンという辛味成分によって生み出されるもので、実はこれが汗をかくモト!

カプサイシンは、口の中や消化器官で粘膜の交感神経を刺激します。
体を活動的にさせる交感神経にスイッチが入ると、アドレナリンというホルモンが分泌されて血管が拡張し、血行がよくなって体温が上昇します。
このため体は、急に上がった体温を下げようとし、汗をかくのです。キムチを食べたあとにも、同様に体がポカポカしてきてうっすら汗ばむのも、唐辛子に含まれるカプサイシンの効果によるもの。
カレーに入っているショウガ、クミン、ターメリックなどの辛いスパイスにも、カプサイシンほどの効果はないものの、交感神経を刺激する作用があるため、さらに発汗につながっているわけです。

ちなみに辛いもの以外では、酢などの刺激臭のある酸っぱいものに交感神経を刺激する作用が少しありますが、甘いものや塩辛いものには交感神経を刺激する作用はないため、汗をかくことはありません。

カプサイシンは、消化・吸収の過程で分解されることはなく、口内や消化器、腸などあちこちを刺激しながら排出されていきます。
胃に送られれば、夏バテで停滞しがちな胃を刺激し、食欲がアップ。血行をよくすることで、顔色をよくしたり肌がしっとりするなど、美容にもうれしい効果が。

しかし、過剰な期待は禁物。
一時、辛いものを食べてやせようという「激辛ダイエット」がブームになったことがありました。
確かにカプサイシンによって交感神経が刺激されると脂肪を分解する酵素の働きも活性化され、代謝がアップするのですが、その持続時間はせいぜい1時間ぐらい。
辛いものを食べるだけで痩せようとするのは、残念ながらちょっと難しいようです。
さらに食べ過ぎると、刺激が強すぎて胃や腸の粘膜の炎症をまねき、逆にお腹をこわしてしまいます。
適度にとれば、夏バテ解消に役立つ心強い存在なので、上手に食べて夏を元気に乗り切りましょう!

◎発汗作用で、体温を調節する
暑い夏は、熱が体の内側にこもりやすく、上手に熱を発散しないと体温調節ができずに、夏バテの原因に。スパイスの発汗作用は、内側の体温をうまく発散させてくれますので夏バテ予防に最適の食材です。

◎防腐・抗菌作用で食中毒を予防
夏に辛いものがいいといわれるのは、スパイスには防腐や抗菌作用もあるから。料理を傷みにくくしたり、腸菌などの増殖を防ぐ力もあるといわれています。

◎食欲増進や健胃作用がある
スパイスの辛味には、唾液の分泌を促して、食欲を高める作用があります。食欲が高まると、食べたものの消化を促し、胃の調子も整います。暑さで食欲不振の夏は、スパイスが力強い見方です。